おいしいプリンが食べたい

おた活の感想などを書きます

新作歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐 感想のようなもの

見てきました「とうかぶ」!!!!!

7/2(日)、初日です。

こちらの記事はこれが歌舞伎デビュー!な刀剣乱舞ファンによる感想のような何か、です。基本的には「めちゃくちゃ面白かった」という話をしています。

途中からネタバレ含みますのでお気をつけください!!※ワンクッション置きます。

     
  1. 歌舞伎ビギナー審神者への申し送り事項
  2. 感想(ネタバレなし)
  3. 感想(ネタバレあり)

 

やーーーめっちゃ素晴らしかったです。

最初に私と同じ歌舞伎ビギナー審神者さんへの申し送りをば。

 

①イヤホンガイドは絶対あったほうがいい。

   イヤホンガイド、始まる前も幕間も延々聞く価値のあるお話が(場合によっては鳥海ボイスで)流れているので余裕を持って入場して開演前イヤホンガイド、かつ着席前に買い物は済ませておいて幕間もイヤホンガイド、って感じがいいかも。予約しておくとちょっと安いよ。

 

②(特に夜の部の人は)お弁当予約しておいたほうがいい。

   普通の観劇の際に使うエネルギー+見慣れないものに使うエネルギー+イヤホンガイドによる知識の供給、で普段の3倍頭使うのでめちゃくちゃお腹減ります。

   私はお弁当予約してなくて、並ぶと地獄を見そうだったから諦めたのですが、そしたら後半の途中で腹減りと疲労でちょっと寝ちゃいました……。マジでお腹減るし観劇疲れすごい。帰宅した後ご飯モリモリ食べて即寝た。エネルギーチャージ必要。

 

③公式が出してる予習動画は見ておくと良い

 それプラス個人的おすすめ動画もあるので置いておきます。

 

・松竹の初心者審神者用動画

各話は全部短い。見ておくと当日楽しいことがあります。

youtu.be

・アンバサダーえーとくんと健介くんによる動画

https://tv.dmm.com/vod/detail/?season=t4nv9m9999quhpmx9nn469sme

 

・芸能きわみ堂(Eテレ)のyoutube用動画

youtube.com

これ、取り零されそうだけどめちゃくちゃおすすめです!なぜならメインナビゲーターが小狐を演じてくださってる尾上右近さんだから!直近の回では松也さんも出てくれているから!それから「推し活のすすめ」の回では兄者役の中村莟玉さんとたぬたぬ役の中村鷹之資さんの紹介もあるから!!

当日客席でパンフ見てたら、メインキャストに知ってる名前がいっぱいあって感動した……!予習って素晴らしい。あと推し活回は普通にその他のイケメン歌舞伎役者さんもたくさん教えてくれるので我々(??)と相性の良い回だと思います。

 

④上演中は電源オフより機内モード推奨

 なぜなら最後に写真可部分があるから……。すごい裏切りでビックリしちゃったよ!ありがとうだけども!!!

 私は起動が間に合わなくて撮れなかったので〜〜〜!!マナーモードとかのままだとイヤホンガイドに雑音が入るので電波は絶対切っといてください。

 

申し送りは以上です。物販とか館内展示物とか考えると2回は観に行かないと時間足りない気がする……。

 

ネタバレ無しの感想

歌舞伎ってハードル高いなと思ってたんですけど、(イヤホンガイド付きだけど)わりあい普通に見れたし、こんな面白いならナルトとかも観に行ってれば良かった~、と思いました。鬼滅はまだ?かな??まだだったら是非行きたいです!あと、古典系でもあらすじ知ってる話+イヤホンガイドだったら結構楽しめるんじゃない??と思ったので里見八犬伝待ってる……。(里見八犬伝のまあまあなおたくより)

 

私は古典芸能そのものが初めて、だったんですが、日本史が好きなので前々から古典芸能への興味はあって、Eテレの初心者用古典芸能番組(「古典芸能への招待」とか「芸能きわみ堂」とか)を以前からちまちま見ていて、あと、里見八犬伝が好きなので、歌舞伎の雰囲気とか話の作り方なんかにはそこそこ慣れていたように思います。これは実際に観劇しての感想。ちまちまやってたことがそれなりには実になっていて、嬉しかった~~。

 

ここからはネタバレなしの「歌舞伎すごい!」と思ったところ。

・専用劇場がある

 これ、ほんとに、めちゃくちゃ羨ましい!!!!歌舞伎を見るために建てられているということ。これがどんなに素晴らしいことかヨヨヨ

 多分お通夜席はほぼ出ない設計なんでしょうし、飲食もできるしお弁当も売ってるしお土産も買えるしテーマパークですか???羨ましすぎる。

 

・パンフレットに英語の解説ページがある

 観光客用なんでしょうけど、そういうパンフ初めて見たので感動した。きっと普通の歌舞伎?だと外国人の方も結構来てるんだろうね。

 

・大向こうさんのおかげで歌舞伎的見せ場が分かる

 大向こうさん、むかーしテレビで大向こうにも新人・ベテランがあって、始めたての頃は声をかけるタイミングをミスったりする、みたいな話を見たことがあったので、その印象が強いんですけど(笑)、歌舞伎なんもわからん民からすると、大向こうさんの声がかかると、「あ!ここ見せ場なんだ!拍手!」てなるので助かりました。

 

・役者が登場すると拍手が起こる

 役者がソロで出てくると即座にオペラグラスを構える癖がついちゃってるので結構何回も慌てました。審神者のみんな、気をつけような。

 

・早着替えがヤバい

 やばやばでしたが!?!?!?早いにも程ってもんがあるでしょ!!!2.5の役者も早着替え多いんですけど、なんか、レベルが違いました。早すぎて脳がバグる。メイク一瞬で変わるみたいのもあった。どうなって……???

 

・衣装が豪華すぎる

 衣装が豪華すぎる(復唱)。登場人物に合わせて紋とかも入ってるから使い回しとかも基本的にはできない、んですよね????公演限りのお衣装であの豪華さ。すごすぎる。金が、金がかかっておるのじゃ……。

 

・舞台セットもすごい

 ていうか舞台セットの数がすごい多い。きっと、ある程度は「こういうシーンはこういうセット」っていうので使いまわせるテンプレセットがあってそれらの組み合わせでやっているんだろうけれど、なんか、なんか、そういうのも含めて、いつも私が見ている「人気(金)が無ければ次は無いかもしれない」みたいな舞台と無縁の余裕があって、すげえなあ……って思っちゃったよ。すぐ金の話をするな!

 

・イヤホンガイド様

イヤホンガイド様……!歌舞伎のお決まりとかお話の背景とかを進行の妨げにならない絶妙なタイミングでめちゃくちゃ教えてくれる上に、すごい良いタイミングで「ここはこういう心情を表現しているんですよ」とか仰ってくれるので感動ゲージが大爆発して涙したりしました。しかしイヤホンガイド様、マジで延々喋るのでビックリした。休ませておくれ。

 

・歌舞伎×刀剣乱舞

歌舞伎×刀剣乱舞だった!withとかfeat.とかじゃなくて×!両者ががっちり組み合ってて、刀剣乱舞を歌舞伎で表現するとこうなるんだ!って思ったし、新しい刀剣乱舞を見せていただいたというか新風が吹いたというか。歌舞伎である意味があったし、歌舞伎という視点で刀剣乱舞を見ることで新しい気づきもあって本当に良かったです。ありがとう〜〜〜〜。

 

 

↓↓↓↓ここから先、ネタバレあり感想↓↓↓↓

 

 

ネタバレありの感想

 

!attention!

 

ここから先ネタバレだらけです!!!

 

 

・タイトル

イヤホンガイド様がタイトルにも歌舞伎のルールが適用されている、という解説をしてくれて、タイトルから感動してしまった!そして演目を最後まで見ると「あ、そういう意味なんだ、なるほど!」ってなるっていう。情緒無く訳してしまうと「三日月宗近足利義輝」って意味なんです、よね?最後の二人でのシーンがタイトルを見るたびに脳裏に蘇ってくる素晴らしいタイトルだと思います。

 

・たぬたぬと兄者がずっとかわいい

ずっっっっとかわいかった;;;;

兄者は紅梅姫もかわいくてかわいくて!本当にずっとかわいかった。たぬたぬは身長が低めだからそれもかわいかった。刀剣男士が一振ずつ舞いを踊るところ(刀剣乱舞でが舞いを踊る!!!)のたぬたぬ、力強くてすごい好き!!演者の鷹之資さんは踊りに力を入れている、というような知識を得ましてものすごく納得しました。

あと兄者役の莟玉さんめちゃくちゃかわいい~~と思って観劇後にググったらパンダの話ばっかりでてきてわろたかわいすぎる🐼

 

・三日月と紅梅姫

これビックリした!!!!!あ、そういうパターンあるんだ!?!?みたいな。なんというか、イケメンパラダイスジャンルの舞台って、まあその、女性を投入するの結構リスキーで(色々な意味で)、だからこんな展開初めて見たんですけど、いや、そうだよな、そういうの全然考えられるよな!って。これは歌舞伎本丸だからできたことのように思う。すごいビックリしたと同時に納得したし新たなものを見れて感動した。想いを寄せられるのが元主の妹ってのが……良いです……(噛みしめ)

 

・異界の翁と媼

これもビックリした!!!そういうのあるんだ!?!?でもよくよく考えると歌舞伎ではよくあるパターンな気もする、知らんけど🤔

こういう展開に慣れてないから、てっきりこの翁と媼をさっさと始末して物語から排除して義輝を正気に戻してなんやかんや史実通りに……みたいな展開になるのかと思ったら、この翁と媼ありきでそのまま歴史にしちゃうっていうのが、なるほど!?っていう。これが歌舞伎か(そうなんですか?)

今回の世界線では「賢君になると思われていた義輝が暴君になってしまってやむなく松永久秀が半期を翻す」歴史になってるわけですね!?

そして実際には「(異界のもの(これまでの乱世で積み重なった民衆の怨み)が義輝に取り憑いてしまい、)賢君になると思われていた義輝が暴君になってしまって(+未来から来たという聡明そうな人物に「お前が撃つのだ」と言われ、息子からも命懸けで懇願され)やむなく松永久秀が半期を翻す(が、実際に義輝を撃ったのは三日月)」っていう…!うおおお面白すぎる…面白すぎるぞ。

刀剣乱舞の文脈だと「自分が刀剣男士だと明かす」とか「出会った歴史上の人物にその先の未来を教える」っていうのはかなりのタブー、なんですけど、ミュージカルの三日月宗近だけはそれをやるんですよね~。見ていてめちゃくちゃミュを思い出しました。

 

・義輝

舞台刀剣乱舞(刀ステ)で足利義輝が取り上げられた話があるんですよね。明治座で行われた「悲伝」の時であります。なので、多分とうかぶ見に来た審神者はみんな悲伝思い出した。

自分の所持していた名刀を斬っては代え、斬っては代えした、っていうのは刀ステでも描かれていて、でも刀ステではそんな状況でも天下一の美しい名刀三日月宗近は手に取られることはなかった(美しいから)、俺も一緒に戦いたかったのに…みたいな話があって(あったよね?)、でも今回は多分最後に三日月と斬り結んだあの刀は三日月宗近だったんだろうなあ!って!!思いました!!!

きっと義輝は斬り結んだことで宗近が三日月宗近であると確信を得たんだろうし~。このシーンでイヤホンガイド様が「三日月宗近足利義輝に所有され初めて刀として握られ、刀となったのです」みたいなことを仰っていて泣いた。

三日月って超越的な描きかたをされがちで、主語が「俺」じゃなくて「刀剣男士としての俺」なところがあるんですが、この本丸の三日月は他の刀と同様元主への特別な想いがあってちゃんと「俺」を出せる個体なんだなあって思った。「刀剣男士が元主を斬る」っていうのもわりとお約束なんですが、三日月ってお約束から隔離されて存在してる傾向があったので、そういう「普通の試練」が課されているのが新鮮で面白かったなあ。

 

・スッポンと三日月宗近

刀ステが明治座で行われた当時、有識者さんから「スッポンって"人ではないものが出てくるところ"なんやで」っていう知識が回ってきてですね。刀剣乱舞において「人ではない」というのは刀剣男士を指すキーワードだったりするので、みんなソワソワしてたら、最後のほうでスッポンから三日月が出てくるっていうシーンがあって悲鳴をあげたりした、そんな思い出があるので今回もスッポンには注目してたんですけど、ちゃんと出てきましたね~~!!大喜びしちゃった。

 

・メタ発言

めちゃくちゃ笑った。普通の舞台だと兼ね役であってもちゃんと辻褄を合わせなさいよな風潮があるので、私も「兼ね役だからって理解はしてるけど、兄者と小狐の不在っぷりは説明つけるのかな、そういうものとして流すのかな……」と思っていた、そんなタイミングでこのメタ発言!!たぬたぬが「俺もまあまあ忙しいぞ」って主張してたのかわいすぎて無理でした。かわいい~~~!!!がんばれ~~!!!

すべて許したし「こうなることを決めたのはお前だろ」て反撃されてたのもめちゃくちゃ笑った。それな。

 

・引き抜き

ミュージカル(刀ミュ)は1部でミュージカルをやって、2部がライブなんですね。で、そのライブ衣装は基本的にはどんどん脱いでいって第三形態まで変化するんですが、これって歌舞伎の引き抜きを意識してる、みたいな話をどっかで読んだ気がしていて、なので、本物の引き抜きを見れて感動した!

 

・エキストラさんの身体能力

歌舞伎もアクロバットするんだ!?という驚き。しかも終盤とか足場がちっさそうな段々になってる岩のセットの上とかでアクロバットしてたから口あんぐりだった。すげえ……。

 

・時間遡行軍の客降り

びっっくりした。私は2階席だったんですけど、いやまさか2階や3階にも来てくれるとは思わず。それで言えば開演前のご挨拶客降りもすごいビックリしましたが。そういうのあるんだ~~!話しかけられて時間を教えていたお姉さんが特製ステッカー貰ってました。シンデレラ城みたい(世代がバレるぞ)。

あと時間遡行軍の短刀ちゃんがかわいくてかわいくて……とってもかわいかった、持ち帰りたい。

 

・三日月が義輝を斬るところの舞台セット

これりとうらぶも歌舞伎も関係ない話なので飛ばしてもらって良いです。

舞台セットの話。大岩みたいになってて、イヤホンガイド様によると歌舞伎ではあるあるなセットらしいんですけど、これ見ていて私はずーーーっっっと荒牧慶彦殿(推し)の俳優業10周年記念公演の100人斬り思い出してたんですよね。

あらまっきーは、刀ステで三日月の弟子みたいな役回りのキャラを演じてるんですけど、ポイントはそこじゃなくて10th公演が明治座で行われていたっていうことで。あらまっきーは明治座さんと色々やることが最近増えてるんですけど、もしかして100人斬りのセット、明治座さんから提案もらったんじゃない????と思ってしまった~~というのを言いたかったです。それくらい似ていた。くるくる回ってるのも一緒だった。あれ歌舞伎由来だったのかも!?!?って思ってドキドキしました!

 

 

大体こんなところかな……??

見ていて刀ステとか刀ミュを思い出す場面が多々あって、めっちゃ研究してくださったんだろうなあって感謝しかないです。すごく楽しかった。ありがとうございました!!